こんにちは!
大学院在学中から研究活動でCADを使い、卒業後メーカに就職し(転職1回経験)Solid WorksやCATIAを使って業務としてモデリングを経験しています。自宅では無料で導入できるFUSION360を使いながら3Dプリンタを利用した工作をしています。
前回の記事でνガンダムの頭部のモデリングをご紹介しました。今回は構成部品の1つであるヘルメット部の作り方を説明しようと思います。皆さんならどのように作るでしょうか?
以前紹介したZガンダムの頭部とは異なり球体に近い形になっていますね。ですので”フォーム”の機能を使って再現しました。”フォーム”を使えば粘土細工のように複雑な形状も比較的短時間で仕上げることができるのでマスターしたいコマンドの1つです。
大まかな手順は以下の通り。
①”フォーム”で球体を作り、図面や絵をもとに引き伸ばしていきます。
②基準面YZ平面にスケッチを描きヘルメットの形状に沿って側面を分割します。
③同じく基準面YZ平面にスケッチを描きヘルメットの形状に沿って側面を分割します。
④”シェル”で空洞を作りヘルメット形状を再現
⑤ここからは次回以降の記事で紹介しますがダクト部も球体に近い形状ですので”フォーム”で作ります。
FUSION360を使った作例を見ているとフォームを使ったモデリングが多いことに気づかされます。特に車のボディーやタイヤのホイール、動物など複雑な曲面や有機的な形状をもつボディに有効なコマンドです。この作例を通してフォームについて使い方を知っていただけたら幸いです。
ヘルメット製作手順
使用するソフト
FUSION360
キャンバス設定
モデリングの前にFUSION360の機能の1つである”キャンバス”を使い、絵や図面を見ながらモデリングすれば正確に再現することができます。
MG νガンダム verkaの組み立て説明書に正面図と側面図が掲載されていますのでこちらを利用します。
フォームで外形を作る
①キャンバスに絵や図面を設定して赤線で示したヘルメットの外形を作ります。
②”フォーム”をクリックしてフォームのモードに移ります。その後メニューの”クアッドボール”をクリックして原点に球体を設定します。(スパンの面は2で設定)
③”対象”、”エッジを挿入”、”フォームを編集”のコマンドを駆使して①のキャンバスのヘルメット形状に沿うように球体を引き延ばしていきます。
完了したら右上の”フォーム終了”をクリックしてフォームのモードを終了してください。
②から③にかけて細かいコマンドがいくつかありますので説明します。
対称
左右対称の形状を作る時はあらかじめ”対象”のコマンドを選択して1の面と2の面を選択します。
すると緑色の線が表示されます。この設定が完了すると片方の形状の編集が自動的に反対方向も反映されるようになります。
フォームの編集
編集したい面やエッジ、点を選択した状態で”フォームを編集”を選択してください。
すると専用のカーソルが表示されますのでこのカーソルを駆使してクアッドボールの面やエッジ、点を編集していきます。
エッジを挿入
クアッドボールをより細かく編集するためにエッジを追加します。基準となる任意のエッジ(以下の青い線)を選択して”エッジの挿入”のコマンドを選択します。その後自動で追加されるエッジが緑の線として表示されますので任意の場所に緑の線を移動させて”OK”をクリックします。
線が増えることで面が増えますのでより細かな編集が可能となります。
側面方向から”ボディを分割”
①側面のキャンバスの図面をもとに赤線で示した形状を作っていきます。
②基準面YZ平面にスケッチを描きます。
③ ②のスケッチを利用して”ボディを分割”を選択して球体を分割してください。
”シェル”で空洞を作る
①ヘルメットのように中身を空洞にするために”シェル”のコマンドを使います。
②除去したい面を選択します(以下の図の青い面 計8か所)
これでヘルメット部の素体が完成しました。ここまでできたらバルカンや穴を追加したりと細かなディテールの追加をすればおおよそ完成です。
最後に
今回はνガンダムのモデルを使ってフォームを使った曲面の作り方を説明しました。
次回は同じヘルメット部の作り方を紹介しますがダクト部の作り方を説明します。このダクト部をどのように空洞にしたらよいかかなり迷ったところでもありました。次回もFUSION360を使ってモデリングの手法を紹介していきます。
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